友人や知人とプライベートで話をしている際に「森川の会社ではホームページを作るのに幾らかかるの?」と聞かれることがあります。
「一概には答えられないな、条件とか内容によって変わってくるから」
「じゃあ、寿司屋の「時価」みたいなものか?」
「それも違う、僕らは作るものに付加価値をつけるようなことはしないよ」
なんて話をしてて、なかなか自分の仕事の値段を伝えるのは難しいです。
「あえていうなら、一軒の家を建てるときに支払う設計費や、大工さんや職人さんの工賃の合計みたいなもんだよ」というと、彼は「ふーん」と納得しつつも、はっきりとは伝わっていないのが、少し残念に思うことが多くあります。
確かに「缶コーヒー1本130円」みたいに、価格が決まっていて「1ページ1万円」みたいに簡単に伝えられればよいのですけど、そうもいきません。なぜならホームページを作る(ウェブサイトを構築する)ということは、幾つもの段階があり、それらの工程を飛ばして「1ページ」という単位では価格の設定のしようがないからです。
ウェブサイト構築の3つの工程
そこで、簡単にウェブサイトを構築する工程(プロセス)を簡単に説明させていただくと、以下のようになります。
- 要件定義
- 設計
- 実装
こうして話をすると「なんだよ、その解らない言葉は?」と頭を抱える友人。そこでよく私は「建築物」にウェブサイト構築の話を例えて説明します。
何を作るのかを決めるのが「要件定義」
まず、最初の「要件定義」ですが、これは「どんなものを作るのか」を決めることです。まあ、プレハブのようにある程度仕様が決まっているものは、何を作るのかがはっきりしていますが、例えば一戸建てを建ててもうらうとなると、間取りや内装、外観などに様々な要望がありますよね。それがマンションや商業施設になれば、発注する側(施主さん)の要望は、まさに山の如しです。
そのために設計事務所は、色々な調査やリサーチを行ったり、なんども施主と打ち合わせをしたり、完成予定図(パース)や模型を作ることもあります。
ウェブサイトも同じで、規模が大きくなればなるほどに、色々な要素を先に決めておかなくてはなりません。そうした「何を作るのか」に費やす時間を要件定義と呼んでいます。
たくさんの図面が必要な「設計工程」
次に設計工程ですが、これは文字の響きから、なんとなくイメージできるのではないでしょうか。
建築物といえば、商業ビルからマンション、一戸建て、プレハブまで様々ですが、例えプレハブをひとつ作るにしても、大工さんや左官屋さんを集めて「ここにプレハブ作って」とお願いしても、作ることはできません。モノを作るということは、必ず図面とか仕様書が必要で、例え日曜大工で犬小屋を作っても、設計図がなければ作ることはできないと思います。
建築物は、間取り図や、電気や水道、ガスの配線図、外壁、内装などに様々な図面が必要で、それがマンションや商業ビルのように大きくなればなるほどに、膨大な図面が必要になります。
ウェブサイト構築も全く同じで、情報設計、視覚設計、画面設計、技術設計などなど、数多くの設計を行うことが求められています。実は大規模なサイトは、この設計工程に膨大な時間がかかります。1000ページのウェブサイトであれば、1000ページぶんの画面設計書が必要になるのですから。
むろん、中小企業様や個人商店様からのオーダーである、数十ページのサイトでも、しっかり情報設計を行わないと、顧客のサイト内の導線をしくじって、目的のページにたどり着かせることをしくじったりしてしまいますので、サイトの規模に関わらず設計工程(とりわけ情報設計)は重要な役割を担っています。
職人が活躍する実行工程
そして設計が終われば、大工さんや左官屋さんなどの職人さんたちが手を動かすように、ウェブサイトでも画面のデザインをしたり、ブラウザやスマホで表示させるためのマークアップ言語というもので、HTMLというコードを書いていかなくてはなりません。
場合によってはプログラマーやエンジニアの手を借りることもあります。
すなわち「専門家による作り込み」のことを、わたしたちは「設計」と呼んでいます。
サイト構築費用のほとんどは人件費
さて、ウェブサイトを構築するお話はお伝えしましたが、その価格は幾らなのでしょうか。わたしたちがサイトを作る仕事にかかる費用は、すべて「人件費」です。
もちろん中には、レンタルサーバーの費用やCMSやテンプレートの購入費、レンタル写真の購入費などの実費もありますが、建築物に比べると、はるかに実費は少ないと思ってください。
人件費の計算は「人工(にんく)」と呼ばれる金額設定をしています。この人工の考え方は、建築の世界での大工さんや塗装工さんたちの専門職の計算方法と同じです。
1日に働く作業量の単位を「一人工(いちにんく)」と呼び、単価を設定します。その単価に対してかかった日数のことを「工数(こうすう)」と呼んでいます。
冒頭の「寿司屋の時価」と似ているけど異なっているのは、専門家の能力によって単価が設定されているということです。例えば、腕のよいペンキ職人さんであれば、1日で終わる仕事を、新米のペンキ屋さんだと2日かかってしまう場合があります。そうなると腕のいい職人さんは2倍の価値があるということになりますね。
ウェブ屋も同じで、能力の高い設計者やデザイナー、エンジニアは短期間で成果を出すことができますので、そのぶん単価が高いとされています。
まずは見積書を作るところからがスタート
ですので、わたしたちがサイト構築を依頼される際には、まず規模やざっくりした要件、要望をお聞きして「見積書」を作ることが出発点になっています。
その見積書には、サイト構築にかかる全ての工程を洗い出し、そこに、かかる日数(工数)と単価を書き込んたものを提出させていただいています。
という具合に、ウェブ制作にかかる経費のお話は、おそらくどの制作会社も、同じ考え方で算出されているのではないでしょうか。
小規模サイトでは工夫もできます
…というお話を、友人にしていて「わかった、じゃあ、友達がやってる旅館のホームページを作り直してもらうとして幾らかかる?」と切り出してきて、ざっくりと「100万以上、300万円までかな」と答えると、目を丸くして「そんなにかかるのかー、そんな予算はないと思うなー」と、がっくりと肩を落として残念そう。
もちろん、それが正式な相場です。「かかるものはかかる」それは当たり前の話。安価にお仕事を受けるということは、わたしたちのビジネスも立ち行かなくなるし、業界全体の相場も下がってしまう。すなわち、価値が落ちていくことになります。
でも、それは「いま用意する資金がない」ということで、私たちがホームページの改修のお手伝いをして、成果がでれば、そこから正当な報酬をいただくことも可能ですよね。また長い目で見て、スロースタートで初期のコストを抑える手段も、エクサートではご相談に乗らせていただいています。
それは、私たちは「事業コーディネート」という、お客様(クライアント)と一緒にビジネスを成功させるためのお手伝いをしたいという理念があるからです。
いつでも、ご相談に乗らせえていただきますので、お気軽にお問い合わせください。